2006年04月03日
元・立誠小学校 - 芸術・アート
とうとう4月になりました。
学校始まるまではまだ猶予があるけど、もう3年なんだよなぁ。
バイトが同期だった学校の先輩は、社会人になっちまって、もう平日に泊まりでスマブラなんて出来なくなりそうです。 |
4月1日のエイプリルフールは3時ごろに帰宅して、寝て目覚めたら2日だったので嘘をつく暇が無かったです(´・ω・`)
どこから帰宅したかっつーと、やっとタイトルにたどり着くわけですが元・立誠小学校でやっていた「チャップリンの日本~チャップリン秘書・高野虎市遺品展~」に行ってました。
「チャップリンが好きなの?」と問われれば「一作品も見たことが無いです」というヘタレです。
見たいとは思ってるけど、機会が無いんだよねぇ。
そんな展示になぜいったかっつーと、学校側に興味がありました。
・元・立誠小学校
10年以上も前、平成5年に廃校となったこの小学校ですが、京都は木屋町の真っ只中にあります。
歓楽街の真っ只中で、学校を出たところに客引きがいます(´・ω・`)
そら、こんな所に学校作ってもなぁと思ったら、明治2年建築という歴史のある学校です。
アーチ型の玄関と、その上にはアーチ型の窓と装飾の施されたバルコニー。
古い校舎にしては珍しい、気合の入った建築です。
こーゆーの好き( ´-`)
展示室は写真禁止なので、中々いい写真が取れなかったのですが、内部も少しだけ。
歴史ある学校と感じさせるパネル、右のパネルをアップにしてみると。
昭和60年! 俺が生まれた年だっつーんんだから驚きです。
ちなみに横は昭和56年のパネルでした。
上の写真の場所から中庭に出れます。
講堂や中庭は管理が行き届かず、廃校になってからの日数を感じさせるくらいに朽ちてました。
半地下みたいなところはすでに横を流れる川から浸水されているようで、SFに出てくるゴーストタウンみたいです。
一階の廊下。
実は2階の廊下の方が色々古い物があって面白かったんですが、立ち入り禁止でした( ´-`)
教室内の写真は撮れませんでしたが、視聴覚室なんかが面白かったです。
今回のイベントの関係でフィルムの上映がされたんですが、配置されていた椅子が古い学校の椅子そのままでした。
この地は日本で最初に映画が上映された場所だったりもします。
にしても、4月ということで桜がちらほら咲き始めました。
満開にはあと一歩と言った感じでしたが、高瀬川の桜道ってのは素敵な景観ですね。
この辺りには川を見ながら食事が出来る施設がたくさんあるので、一度行ってみたいなぁ。
こちらは木屋町五条を少し登ったところ。
こっちは学校前の広場みたいなところから撮りました。
帰りに東本願寺横の路地でひっそりと咲く沈丁花を発見しました。
リンク先は壁紙サイズです(1240*930)
普段PC前でダラダラ仕事してる身としては、こーゆー植物を見ながらすごせるのは幸せなもんです。
ってことで、明日は花見に行ってきますヽ(‘ ∇‘ )ノ
酒だ団子だビリヤードだヽ(‘ ∇‘ )ノ
2005年10月28日
ブログ村の写真ランク - 芸術・アート
友達に何か日ごろ面白そうなネタとか見つけたらブログにでもあげといてー。
といわれたので何かあげてみることにします。
習慣的に続くとは思わないけど(´-`)
今回は、ブログ村の写真ランキングのはなしー。
ブログ村ってのは、ブロガー同士の交流を促進するためのさまざまな機能が提供されているそうです。
んでその中にブログをカテゴリー分けする、一見Yahooのトップページみたいな部分があるんですが、そこの写真に入るとランキングなんてものがあります。
いくつかのブログに入っていくと、個性的な写真がたくさん見れます。
国内外を問わず、人物、静物、風景・・・。
いろんなタイプの写真があるので見てて飽きません。
俺はランキング2位のPHOTO PAGEってブログの写真が好きです。
ココ見てる人も、是非気に入った写真ブログを見つけてください。
おいらも何か写真をアップするかなぁ(´-`)
クリックすると大きなサイズ。(1024*960)
ってか俺のデスクのサイズでもないのに、なんでこのサイズにしたんだろう・・・。
写真は鶴岡八幡宮の境内外社のお稲荷さんへの道にあった鳥居です。
こーゆー雰囲気が好きですね(´-`)
2005年10月07日
再興第90回 院展 - 芸術・アート
日本画にはそこまで興味が無かったりもしますが、やはり秀逸な絵が集う場となれば見てみたいとは思うものです。
視線から端がはみ出る程の大きな絵も多々あって、見ごたえがあります。
やはりこーゆーのは画集や絵葉書やポスターなんかじゃなくて、実物で見ないと残るものがありません。
数百点の中から特に6点ほど気にかかるものがありました。
その辺の話を書いたところで、結局行って見てくれないと何も伝わらないだろうなぁと思います・・・。
でもまぁ、誰か院展を見た人が目にしてくれたらというのと、自分の記録の為に書きます。
さて、その気にかかった6作品の内で、一番ながながと眺めたくなったのは「尾道小景」という絵画。
尾道と言えば海や山が景色としては記憶に残りやすいものだけど、尾道の町並みのほんの一角を描いたのが「尾道小景」。
レトロな雰囲気の町並みや景観が好きな自分としては、かなり惹かれる絵でした。
昔、一度だけ旅した尾道を思い出します。
次は色々賞をとっていた「植物園」という絵。
たくさんの花が描かれているのだけど、色彩がとても独特で繊細ながら花は多く主張しない。
左下に立つ肌の黒い少女が、たくさんの花を髪に挿しているのだけど、手に持っているのは花ではなく風車。
不思議と惹かれる絵でした。
絵ハガキも買ったんだけど、ここまでサイズが下がるとどうにもならないね・・・(´・ω・`)
次が「夜桜」。
これは、10メートル近い幅のある作品。
稲光に赤く照らされた夜桜を描いた作品です。
これは、どこがどうということなく普通に綺麗で見とれてしまう品でした。
ちらほらと見える緑の葉の色も赤い夜桜にあっていて、ほんと綺麗でした。
これも賞をとっていた「忘レ物ノ行方」。
面白い絵でした。
そのタイトルが意味する所もわかりやすく、描かれていた女性も美しかったです。
「レムの水槽」。
これはちょっと異質な感じでした。
初入選の絵が多く飾られた所にあって、これも初入選だったと思います。
この絵が一番手元に残しておきたい絵だったのだけど、絵ハガキは作られていなかったようです。
人物は、比較的イラスト的な印象を与えるモノでした、小説の表紙にかかれているような。(ちょっとtoi8さんぽかった。
その背景は日本がの基本を行っているような葉と、立体感のある水。
この画家さんが、こーゆー作風の人なら、他の絵ももっと見てみたいと思う作品でした。
最後に「夏ばて」。
順路は無いけど、普通に回っていくとほぼ最後あたりに目にする絵。
夏ばてでねそべっている白熊を描いた絵で、おもわず笑顔がもれてしまうほほえましい絵です。
構図がそうだから微笑んでしまうわけじゃなくて、ほんとにそこで白熊が夏ばてで寝ているような印象を受けるほどいい絵だったからです。
近づいてみてみると、白熊の毛がとても細かく描かれていました。
ってな感じで、色々と惹かれる絵に出合えたのだから授業さぼって行っただけの価値はあったようです。
みんなも是非行ってくださいと書いている今日は既に7日ですが、京都での院展の展示は7日までです。
ほんとギリギリで申し訳ナス。
2005年10月02日
愛のシャガール展 - 芸術・アート
いやーもう、なんかよくわからんかったよ・・・orz
自分は写実派やら印象派が好きで、抽象画とかの類はわからんのですが・・・。
シャガールってどこに位置してんのかいまいちわからんのよねぇ・・・。
初期の頃の絵ははっきりしてるんだけど、後期の頃の絵になると、もう俺には何がなんだかわからなくなります。
詩に添えられた絵がいっぱいあるのに、フランス語でかかれてる詩に関しての注釈がないので、何の情景なのかさっぱりわからんとです('A`)
風景の絵や花の絵に関しては、ちょっと魅了される部分があって絵ハガキなんかを買ったりしたけど、人物の絵がのみこめない。
空を飛ぶ恋人たちとか、首がさかさまについた花嫁とか、エッフェル塔に首がついてたりとか・・・。
若い頃にキュビスムの影響を受けたってことで、やっぱり人物は抽象画っぽいんだけど、ピカソなんかとは全然違う雰囲気だし・・・。
フォーヴィスムの影響っつっても、見た感じ色彩が多様ってだけな気もするし・・・。
まったくつかめない・・・。まぁ写実派と一線を画してるのは見たまんまわかるこっちゃけど・・・。
ってか、ユダヤ人って知らんかったけど、ユダヤ教のハシディズム(敬虔派)の家系らしいので、なんか微妙に宗教的なところがあったりするんだなぁと思ってみたり。
ってかダメだ、俺は抽象画の流れはやっぱり理解できん。
シャガールのかいた風景画展でもあれば行きたいけど、とりあえずタダ券でもないかぎりもう見に来ることもないだろう・・・。
あぁでも、ラインはすごい適当に見えるのに、しっかり見ると人間の体のラインが繊細にかかれてて。
線と点だけでできてるような顔の表情も、なんだか一人一人絶妙な表情が出てて、それは微妙に感激した。
けっこう記憶に残ってるだけで、理解できなくてもいい絵なんだろうけどなぁ・・・。
2005年09月04日
ルオー展 - 芸術・アート
元々抽象画は苦手な絵の部類に入るんだけど、せっかくチケットもらったのでって事で行って来ました。
誰か暇なヤツ誘って行きたい所だったけど、行くことに決めたのが前日の夜なので時間がなかった。
といっても、人と美術展行くと顰蹙買うからできるだけ行かないけど。
世界的なルオーコレクションを誇る出光コレクションの主催。
でも、実はジョルジュ・ルオーなる人を知らずに今日は見に行きました。
だって抽象画興味なかったし・・・。
んで、やはりけっこう辛かった。
初期作品は比較的普通な、タッチの豪快な油絵といった感じで、輪郭の引き方が独特でいい雰囲気があった。
で、少し時代が過ぎると、元々ステンドグラス職人だったのが理解できる、透明感と光沢のある油絵に変わった。
この辺はけっこう普通に楽しみながら見てた。
んで、中期以降に来ると展示が入り乱れてます。時期よりも、絵の対象で分けてるみたいで、ちょっと残念。
この辺に来ると抽象がだなぁと行った感じで、俺の理解の範疇外。
よくわからず、とりあえず引いた所から見てたけど、近づいてみるとかなり厚く絵の具が塗り上げられてる。
戻って中期時期の作品を見ていくと、全体的にその盛りがすごいことになってる。
その辺愉しみながら見ていくと、宗教画へと絵が変わっていく。
んで、まぁいつもと違って早めにぱっぱと見ながら進んでいく。
受難ってシリーズはけっこう面白かった。元々詩集の挿絵らしいから詩と一緒に見てみたいけど、シリーズ全部で64点ある。
特にキリストの顔だけが描かれてる1と2が印象的。
後、「見よ、この悲しみに満ちた目」(題適当記憶)って感じの名前の絵もキリストが正面に描かれてるだけ。
すごいちっさい絵だったけど、なんか引き込まれそうな不思議な目。
んで、ぱっぱっぱと見て言ったら出口が見えてきた。
で、出口前でつかまった。
14 タイトル「キリスト」
顔面真っ青なキリストの油絵。
その凄まじい力のこもったタッチは、なんだかゴッホの自画像の用なパワーがあって惹きつけられる。
たぶん、その絵1枚の前に10分は居た予感。(邪魔だった人ごめん
今までの正面を向いたキリストは、とてつもなく悲しい顔ばかりだった。
そしてこのキリストはその極みだった。色彩や背景から受ける印象も悲しみ。
そのとてつもなく強い力を持った目も悲しかった。
こんな絵見たことあるなぁと思って色々考えてたら結論が出た。
青の時代の頃のピカソの絵だ。
そんな印象を受けた。これを書いた頃のルオーはどんな心境だったんだろう・・・。
そう思うといてもたってもいられず、また入り口まで戻って気に入った絵を一つ一つ見て回りました。
とくに目を。
ココのブログの人は東京の展示に行ったそうで、俺が書きたいかなぁと思ったことわかりやすく書かれてるので、とりあえず張っとく。
「ルオー展」
後もう一枚チケットあるけど、誰か行きたい人居たらいってちょーよ。
お安くしときます家の家族は誰も見ないので、もったいないから差し上げます。
14日までだからお早めに・・・ってか俺が9日までしか京都にいないからお早めに。
2005年07月04日
ミヒャエル・ゾーヴァ展 - 芸術・アート
美術館。
ココしばらく行ってなかったけど、やっぱりいいものです。
京都の美術館情報を回してくれるメルマガかなんかないかなぁ。
ミヒャエル・ゾーヴァ(グーグル先生(イメージ検索))。
現代画家ってのの知識が皆無に近いので、展示をやると聞くまで名前なんて聞いたこともなかった。
絵も、たぶん見たこと無いか、記憶して無い程度。
主に絵本の挿絵を描いている人なので、そっち方面では目にする機会は無し。魔笛の絵本も手がけてたり。
映画「アメリ」に美術で参加してたりもするけど、前々から見たいと思いながら見て無いので接点0。
実際、何十枚も絵を見てみると、確かに素晴らしい画家だった。
現実の中に存在する主題は、とても幻想的な存在なのに、その描き方は非常に写実的で、それでいて逆に現実部分が一部抽象化されてるので、ほんと独特な空気を持ってる。
一枚一枚の絵がストーリーを持っていて、自分が非常に好きな部類に入る。
そのストーリーを語る登場人物は、大きな絵の上で小さく描かれ、その圧倒的な空間を占めるのは光と影、印象派的な風景、そして雲・煙。
ただ、緻密な絵ではなくて、その絵全体の空間がずーっと見てても飽きない。
実際、「遠出」って題の絵の前に10分ほど居座ってしまった。
細かい部分を、顔を寄せてみるのもいいけど、引いた位置から全体を見るのが自分は好き。
でも、とてつもなく込んでたので、離れ目に見ると誰かが絵に接近してみるので、絵が見れません。
平日の昼に行くべきだったなぁ。
9月前ごろから始まるシャガール展は、平日に行けたら行こう。
あとは、やなせたかし展をどうするかだな(´-`)
2005年05月10日
七つの鉄道物語 - 芸術・アート
JR西日本がてんやわんやの中で、いい仕事をしているJRの会社もある。
JR九州だ。
JR九州のサイトに行ってみると、トップに「7つの鉄道物語 ~Seven Stories about Trains~」と書かれたリンクがはられている。
JR九州が誇る数々の列車の魅力と九州の雄大な自然景観を紹介した動画ムービーが見れるのだ。
ムービーのページへのリンクがこちら。
昨晩、早くに寝ようと思っていたところ、まだGW中の友達と話し込んでしまった。
その友達が教えてくれたんだけど、魅力的なムービーが7つ(+α)あって、思わず寝るのを先延ばしにして見てしまった。
九州に行きたくなります。
もともと、屋久島に行きたいと思っていた事を話した後、そのまま屋久島に行くとしたらどうゆう交通機関を使って、どれくらいのお金がかかるか・・・なんて会話で盛り上がってました。
実際に行くには、それ相応の金銭やら時間やら決心やらがいるわけだけど、夏休みにでも行きたいなぁ。
上のムービーでは、「肥薩線・指宿枕崎線」が好きです。
特急はやとの風の黒い雄姿も好きなんだけど、特に好きなのは「いさぶろう・しんぺい号」の紹介。
昔ながらの峠越えの技術や、SLの見学、日本三大車窓。どれもこれも素敵です。
最後に紹介される「なのはなDX」、終着駅の指宿には、屋久島に行くことがあれば寄って砂むし風呂を楽しみたい。
そんな話をしていたら、友達がこんなもんみつけた。
ちょっと欲しい。
いつか、屋久島行ったときに現地のキヨスクで買おうと誓うtyoroでした。
東京インタラクティブ・アド・アワード - 芸術・アート
けっこう各所で取りざたされてるんだけど、これが怖い。
それはそれで面白いんだけど、自分的にはこっちの方が衝撃でした。
読み込みにちょっと時間がかかる時もありますが、上のフラッシュで運転をお楽しみください。
第3回 東京インタラクティブ・アド・アワードの受賞作品発表されたわけで、上の二つはここの出典なんだけど、他にもいろいろと面白いのがあるので、興味があったら見てみそ。
2005年04月11日
中島 潔の世界展 - 芸術・アート
京都駅ビル内美術館「えき」で中島潔展をやっていると友達に聞いたので、行ってみた。
やはり素敵な絵を描く人だ。
今日は学校で履修登録があったんだけど、待ち時間が1時間半あったので龍谷大学に侵入をしてみた。
素敵な洋館が立ち並んでいたので、いつか調べてからまた来ようと思った。
その後、図書館に侵入したものの、入り口にはカードによる改札にようなものがあって入れない。
諦めて帰ろうと思ったら、美術館等の案内のチラシがあった。
ふと近づいてみると、そこには優待券なるものが!
200枚くらいタバになってて、生徒に「ご自由にお持ち帰りください」ってことなんだろうけど、あと5日しかないのに200枚も残ってる。
なんだか悲しくなった。
数日前に、友達に行って来た報告とともに存在を知らされたので、学校の友達を誘っていこうと思っていた。
おあつらえ向きに券が手には行ったので、お誘い。
しかし、・・・他の友達と行く約束をしていたようなので、あきらめて一人で見に行った。
到着して、400円の入場料。ほんとうに安い。いいの?ってくらい安い。
中に入って説明を読んでから絵を見る。
1枚、2枚目・・・で釘付けにされた。
『金魚売りの声』
魅了されてしまった。
我に返って、早々と中断してしまった絵の鑑賞を続ける。
いくつかの絵を見て、同じコーナーの絵と『金魚売りの声』との差を感じる。
見てみると、『金魚売りの声』は1979年、35歳の作だった。
周りは20代の作品。
絵を一つ一つ眺めながら、30代の作品を求めて先へ進んだ。
30代のコーナー「光」。
絵を見ていく、最初に見たのは、30代後半の絵。
色鮮やかな中に、寂しさが写る。子供達は一人だった。
絵の写る寂しさに、次第に飲み込まれてしまい、静かな気持ちで絵と対峙していた。
そして、コーナーの切れ目まで戻って反対側を進む。
そこは、30代中盤。『金魚売りの声』が描かれた頃。
再び絵の前で動けなくなった。
『忘れ唄』その絵の中に、先ほどと同じ魅力を感じた。
しばらく30代中盤のコーナーに入り浸り、進んでからも三度戻った。
先へ進む。
40代、風の時代。
画家本人が語るように、39歳は節目の年だった。
『春の夢』『夏の思い出』『風詩』『風の余韻』。
思わず微笑んでしまうような、そんな連作。
その中で異彩を放つ、『夢少女』。
色彩、構成、タッチ。全てが違った。
そして、その絵を過ぎるとまた、風に戻る。
風。
それは直接肌だけで感じるものではない。
風が揺らす木、舞い散る花びら、揺れ落ちる雪、もてあそばれる稲穂、母の髪。
風はいずれやむ。
50代のコーナー『愛』
旅をした風が落ち着いたのは、生まれ故郷だった。
旅の先で見る風景ではなく、懐かしい故郷の地。
描かれる背景のタッチが徐々に変わって行った。
しかし、故郷の絵が増えていくにつれて、40代から見えなくなっていた、絵の中に写る寂しさを再びメにするようになる。
寂しさの先に描かれていたのは、母の背中だった。
全ての寂しさと、悲しさと、喜びと、悔いのつまった。背中。
その側に展示された『初雪』。
またも衝撃が走る。35才の、あの頃の絵が戻っている。この筆使い。この表情。
再び立ち尽くし動けずに居る。
『初雪』同じ名の絵があった。35歳に描かれた絵。
足早に戻った。
母の絵が描かれた1996年。筆に大きな変化が現れる。
『絵日傘』
憂いを秘めた子供たちの周りを囲む、色彩豊かな景色。
それは、今までに無い程に動的な塗りだった。故郷に吹く風。
一面に菜の花の様な黄色い花が咲く『風の色』。
画家その人が、その絵の中には居た。そう感じた。
2000年。
色が変わる。
子供達は何かを見て、何かを探っている。
風は波となり海を渡る。
パリへ向かう画家は、次は何になるのか。
終点
1時間半の旅に出ていたような、そんな時間だった。
アルバイトがあるので、早めに早めにと進んで行ったけれど、それでも時間は過ぎて行った。
出口の販売店で絵を売っている。とても高くて手がでないから画集を見た。
4500円。これなら買えそうだったので、画集とウメ吉のハンカチを買った。
家に帰って見返していると、新しい発見もある。
ほんとうに、考えさせられる展示だった。
この美術館は今後も利用したいなぁ。
次回は。。。ジミー大西。微妙だ。